東大味の東方・初坂の麓に、縦三十三間(60m)・横二十二間(40m)の長方形をした摺鉢底状の灌漑用ため池があります。
これは、東大味が山谷の浅い扇状地にあるため、古来より農家の命ともいうべき水の取水争いは絶えなかったことを思い、元禄3年(1690)当時の用水奉行 戸田弥次兵衛により構築されたものです。
大味川に沿って上流に向うと大きなため池が眼前に現れます。山が多い東大味の谷水を集めたため池です。
江戸時代越前藩の用水奉行として活躍した戸田弥次兵衛が造りました。
昭和8年(1933)、22年(1947)と拡張工事が行われ、現在、南北約65m、東西約45mの大きさで、県道より山側の耕作地の貴重な用水として利用されています。
このため池により、地元農家は大いに潤ったため、住民は感謝の念で池の辺りに小堂を建て、奉行を祀っています。
その後現在に至るまで毎年11月18日の命日には、「戸田祭」と称して、西蓮寺で供養が営まれています。
明治41年(1908)には、戸田弥次兵衛のご子孫を饗応した記載が村寄合記録に載っており、戸田さんからの手紙(写真右下)も何通か保管されています。
ご恩を忘れずお付き合いをしていたエピソードです。
令和2年(2020)には、享保6年(1721)11月18日命日から数えて300回忌法要が営まれました。
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