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福井新聞 【越山若水】2019.11.7

出典:福井新聞 【越山若水】2019.11.7
出典:福井新聞 【越山若水】2019.11.7

福井新聞11月7日、「越山若水」に「あけっつぁま」を取り上げていただきました。

この欄を書くのは主筆的立場の方ではないかと思うと、大変名誉なことだと感じました。

最終段落がとてもありがたく、読ませていただきました。

 

以下、全文です。


【越山若水】

「あけっつぁま」と地元で呼ばれる戦国武将明智光秀の木像が、福井市東大味町で披露された。高さ13センチと小ぶり。誰だかわからないよう墨で黒く塗りつぶされてる

▼光秀はこの地に数年住み、織田信長による一乗谷の朝倉攻めや一向一揆を巡る戦禍から村を救った恩人と言い伝えられてきた。しかし、主君信長を討った逆臣とみなされ、公に祭ることはできなかった。そこで3軒の農家が木像をひそかに守り続けてきた。1886年に明智神社を建立。1993年には集落全体で神社を守ろうと奉賛会が発足した

▼光秀は来年のNHK大河ドラマの主人公で、関心が高まっている。ゆかりの地で開かれる講演会やシンポジウムはどこも盛況だ。同神社奉賛会では、光秀の功績や人物像を広く知ってもらおうとイベントを企画した。木像を西蓮寺で公開し、近くの同神社までみこしに載せ運んだ。講演会もあり、県内外から約130人の光秀ファンや歴史愛好家が訪れた

▼光秀に関する史料は乏しく、越前にいたという前半生や、信長を討った理由など謎だらけだ。比叡山延暦寺の焼き打ちに関わるなど非情な一方で、領民に優しく慕われたという二面性も指摘されている

▼時代とともに人物の評価は変わる。イベントの運営には大勢の住民が関わった。歴史的事実はどうあれ、光秀は今も変わらず人々の心の中に生き続けている。

出典:福井新聞 2019年(令和元年)11月7日 越山若水